技術会議で、上司が先に結論を言う。
するとその瞬間、会議は「答え合わせ」になりやすくなります。
静かになる。
でも、それは必ずしも合意ではありません。
思考が止まった音であることも少なくありません。
技術者は、これまで「正解は一つ」という世界で成果を出してきた人たちです。
だからこそ、上司が先に答えを置くと、自然とそこへ合わせにいこうとします。
反論がないように見えても、納得しているとは限らない。
自分の考えを出す前に、会議が終わってしまうことがあります。
ここで起きているのは、単なる発言不足ではありません。
部下の「考える場」が減っている、ということです。
技術者は、本来、考えることが好きです。
筋が通っているかを確かめたい。
より良い案を探したい。
精度を上げたい。
そういう力を持っています。
けれども、上司が先に結論を示すと、その力を使う前に会議が終わってしまいます。
その結果、会議では反論は出ない。
でも納得もない。
そして、自分事にもなりにくい。
この流れが、後々の停滞や手戻りにつながっていきます。
管理職の会議で本当に必要なのは、
上司が最初から正解を示すことではなく、
部下が考えを持ち、選べる状態をつくることです。
だから、会議で使う言葉を変える必要があります。
「正解は一つじゃない」
「まずは案を出してみよう」
「懸念点も前提も、先に出してほしい」
こうした一言があるだけで、会議の空気は変わります。
次の会議では、最初の5分だけでも結論を置かず、
部下の案、懸念、前提を引き出すところから始めてみる。
それだけでも、技術会議の進み方は変わり始めます。
技術者は、納得すると動きます。
逆に言えば、納得できないまま進むと、どこかで他人事になりやすい。
だからこそ、結論を急ぐより、結論に至るまでの経路をつくることが大切です。
ThinkDoorでは、技術者特性を踏まえながら、
「教える」から「考えさせる」への転換を支援しています。
若手が育たない、教えても定着しない、管理職に仕事や判断が戻ってくる。
そんな技術系組織の課題に対して、関わり方の転換から現場づくりをご一緒しています。
次回は、「なぜ、課長に仕事が集中し続けるのか?」というテーマで、結論を急ぐ会議が現場にどんな影響を与えるのかをもう少し具体的に整理します。

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